三浦基(演出家)
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三浦基 演出作品『チェンチ一族』

『演劇計画2004-2005』にて作品制作を行った、地点・三浦基と、『京都芸術センター舞台芸術賞2007』受賞演出家、dracom・筒井潤が、それぞれ〈他者〉との出会いを求め、海外のテキストをリーディング上演します。
三浦は、宇野邦一による新訳で、フランス現代演劇で最も重要な人物の一人であるアントナン・アルトー作『チェンチ一族』に取組みます。

アルトーが、「残酷演劇」として演劇の実験を試みていた時期(1930年代)に、その実例として書いた戯曲である。イタリア・ルネサンス期に実際に起きた事件をもとにしたものだが、アルトー以前に、シェリーやスタンダールがこれを取り上げて作品化している。父と娘の近親相姦が中心になっており、アルトーの過激な演劇概念に照らすなら、一見、古典悲劇的な感触も受けるが、これが「残酷演劇」として舞台化された唯一の劇作であり、そこから何が取り出せるかはまだ未知数である。アルトーに触発された寺山修司が上演を試みたことがある。(宇野邦一)

テキスト

アントナン・アルトー

舞台監督

大鹿展明

翻訳・ドラマトゥルク

宇野邦一

演出助手 村川拓也

出演

安部聡子、石田大、大庭裕介、
河野早紀、小林洋平、谷弘恵

照明

藤原康弘

音響

宮田充規

制作 田嶋結菜
制作協力

小倉由佳子


アントナン・アルトー(1896−1948年)
詩人としてシュルレアリスム運動に参加し、その先鋭的な試みを担い、映画や演劇にもかかわった。思考不可能や心身の麻痺に陥りながら、その体験をつぶさにしるす言語表現によって、特異な表現者として存在感を示すようになる。ついでこの特異な体験にまったく忠実な新しい演劇を構想し、理論においても実践においても、めざましい実験を続けた。西欧文明との対立を深めるまま、晩年は約九年間を精神病院ですごしたが、そこでも彼の探求はやむことがなかった。彼の提唱した「残酷演劇」は、しだいに注目されて、現代演劇の創造を触発することになった。『演劇とその分身』、『神の裁きと訣別するため』のような本に、彼の思想的軌跡が凝縮されている。

フランスでは演劇のもっとも重要な要素として、台詞の音楽性(musicalite)ということがよくいわれる。音楽性というのは決してなにかメロディアスなものを指していうのではなく、語りであるとか主張といったものが、秩序ある文体になったときに指摘されることのように思われる。

アルトーを考えたとき、彼の音楽性は狂気やアナーキズムによってつくられているように思う。無秩序によって秩序が形成され、文体となっているわけだが、私は彼の文体そのものというよりも、アルトーが演劇に興味をもったということに惹かれるのだ。『チェンチ一族』には、史実をモチーフに演劇の古典的テーマとも言える近親相姦が描かれているが、演劇の根本はタブーを提示し、そのことによって秩序を疑うことであったということを、アルトーを通して私は再び気づかせられる。本企画を通して、演劇の姿、発語の根拠について考えたいというのが私のいまの思いである。(三浦基)


日程

2008年
12月13日(土) 14:00【A】/18:00【B】
12月14日(日) 14:00【B】/18:00【A】

【A】筒井潤 演出作品『小説家 裘甫 クボ 氏と京城の人々』>>>詳細
【B】三浦基 演出作品『チェンチ一族』
*受付・開場は開演の30分前
*各日14時開演の回終演後、ポスト・パフォーマンス・トークあり
 出演=13日(土)木村典子、ソン・ギウン、筒井潤 / 14日(日) 宇野邦一、三浦基、他

会場

京都芸術センター・フリースペース

料金

1,000円(前売・当日共) A・B共通券1,500円(前売・予約のみ)
*日時指定、自由席

チケット取扱

京都芸術センターチケット窓口(利用時間 10:00〜20:00、12/28〜1/4を除き無休)
「演劇計画2008」Webサイト オンライン予約





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